あらすじ

挿入曲

「理沙子のテーマ」

作曲 池田眞也


 

棋士は一局の将棋を「命をかけて」闘っている。

しかし本当に人命がかかってしまったら?

将棋女流名将戦五番勝負の最終局を控え、現在タイトルを独占している楢井叡美は挑戦者内田理沙子三段を迎え撃とうとしていた。
 叡美には気がかりなことがあった。幼いころからともに修行してきた兄弟弟子の石塚俊之の年齢制限が間近に控えているのだ。次の奨励会の対局で昇段しなければ規定により将棋界から去らなければならない。そんな大事な時なのに師匠の吉田六段夫妻とともに激励に訪れた俊之に、叡美は時間を無駄にしているとなじり、いつものように喧嘩になってしまうのだった。


そして奨励会の対局の日。俊之はあと一つ勝てば昇段にこぎつけるのだが、立ちはだかる相手は天才少年の誉れ高い増岡。増岡はあっという間に俊之の玉を追いつめるのだが、そこで俊之はある行動に出てしまう・・・・・・。


 

持つものと持たざるもの……

美しき女勝負師たちの行方は!?

挑戦者の内田理沙子は誰に対しても攻撃的な性格で将棋界ではみんなから嫌われている。九段の父親を持ち子どもの頃から厳しく将棋を叩きこまれたことがトラウマになっているのだ。苦労を重ねトッププロにまで上り詰め、やっと上の世代に勝てるようになったと思ったら、叡美が彗星のごとく現れ、挑戦まではなんども駒を進めるのに結局いままで一度もタイトルを取れずにいる。


 叡美に激しく闘志を燃やす理沙子。理沙子が最初に指した手に周囲は驚いた。矢倉に誘導する「8四歩」。
一手の間違いで奈落の底に沈む急戦ではなく、本当に実力のあるものが勝つ持久戦。それは叡美が最も得意とする戦い方でもあった。つまり理沙子は叡美に対して真っ向勝負を挑んだのだ。


対局場の前に立つマンションで女性が一人で暮している。彼女の様子がおかしいことに、叡美は気づいてしまった・・・・・・。